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【マリアが亡くなる7日前】
猫風邪で猫達を2つの動物病院通い
頭痛がすると言って、私は会社を休んだ。
家の中の10匹の猫がみんな調子が悪ければ、頭痛がするのも不思議ではない。
確かに、頭が痛かった。
昨日A動物病院で2時間も待たされて懲りたので、
午前中、昨日とは違うB動物病院へゆずをまず連れて行った。
ゆずは食欲もなく、じっとしている。重症な猫から医者に連れて行こうと思った。
1匹だけまず連れて行って、B動物病院でどういう治療をするか見てみたかった。
いつも行っているA動物病院ほどていねいではなかったが、熱を測り、聴診器をあて、注射をしてくれた。
熱が39.95度もあった。40度を超えると食欲をなくすという。
ほとんど、40度に近かった。
点滴はしてくれなかったが、抗生物質の錠剤をもらった。
いつも行くA動物病院ではすぐに点滴をしてくれるが、これって本当に必要があるのかどうか、よくわからない。
猫にとっては楽になるかもしれないし、飼い主も点滴をしてくれれば、なんとなく安心する。 その分しっかりと請求されるわけだが。
しかし、点滴をあまりしない病院もあって、ちょっと不安になるが、それはそれで、治ってしまう。
このB動物病院のドアを入って、診察を終えて、会計を済ませて、出てくるのに15分だった。
あのA動物病院で延々と待っている時間がなくて済むのは、本当に精神的にも肉体的にも楽だった。
家に帰り、もう一度ソックスを連れて同じB動物病院へ行った。
予防接種が切れるちょうどその時に罹ったソックスも高熱だった。
そして、あと5,6匹いると言ったら、
「飼い主さんの責任で飲ませて下さい」と抗生物質を10錠余分にだしてくれた。
とても、助かる。
そんなに、何匹も動物病院に連れて行くのはたいへんだ。こんなに飼ってしまった自分が悪いのだが…
夕方、マリアとミントを今までのA動物病院へ連れて行った。
昨日さんざん待たされて懲りたので、一度診察券を出しに行き、家に帰ってから、マリアとミントを連れていった。 2匹の負担もこれなら、いくらかは軽減されると思った。
これで、30分位待ったところで、順番が回ってきた。
マリアはお腹にガスがたまっていると言われ、胃腸の動きを促進させるような薬も点滴に入れられた。
「もし、これで、何かおかしくなったら、もうしませんから…。」と先生は言った。
帰り、この薬の効果か、マリアはウンチをした。
2匹とも強制給餌と点滴をした。
明日は休診日だが、心配なら予約すれば、診察をしてくれるという。
これも、助かる。B動物病院ではこんなことはしてくれないだろう。
だから、A動物病院は人気があるのだろう。
明日、午後6時に診察の予約をした。
マリアの最後の写真
そして、夕飯の時のこと
マリアはいつもは私の膝にすわるのが大好きだった。
食事の時、化粧をする時、パソコンをやっている時、トイレに座っている時
マリアはいつも私の膝の上に座っていた。
マリアはこの時一瞬元気になったように、うろうろとした。
そして、今まで絶対に座らなかったお父さんの膝に自分から座った。
おさえつけても嫌がって絶対にすわらなかったお父さんのひざ。
どういうことだろう?
なんだか、いやな予感がした。
マリアはお父さんに、マリアが好きなおいしいものをたくさんもらった。
お父さんの膝の前にお座りをして、おいしいものがもらえるのをいつも待っていた。
他の猫達はこんなことはしない。マリアだけだ。
カニカマ
大トロ
焼豚
ブリ
ハム
人間の食べ物はあまりあげたくなかったが、お父さんにはもらえた。
その感謝の気持ちをあらわすために、最後だと思って、お父さんの膝に座ったのだろうか。
最後に移した写真となった。
一眼レフカメラを購入して、マリアの写真をたくさん写そうと思っていたのに、
何枚も映さないうちに最後の写真になってしまった。
今となっては、アランも最期の挨拶をしているように見える。
この晩がマリアが私の布団に入ってきた最後の晩となった。
しかし、咳(といっても、しゃっくりのような咳)がひどく、なんども布団からでては、咳をしていた。
よく眠れなかったようだった。