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棺桶に入れる好物
2日目は、お棺にいっしょに入れる父親の好きだった好物を買いにいきました。
病院のベッドでもうすでに口からは食べることができなくなっていた父が
「お菓子が食べたい」と言っていたのが忘れられませんでした。
お酒飲みでしたが、甘いものも大好きでした。
和菓子屋で母親が「みんなお父さんに食べられちゃう」と怒っていた和菓子を買いました。
まさか、棺桶にいれる和菓子を買いに来ることになるとは普通ないでしょうし、
こんな時に、こんな気持ちで和菓子を買うなんてと思うと涙がでそうでした。
店員さんに「これは棺桶にいれて、天国に行く和菓子なんです」と言いそうになりました。
口に出して言うとよけい涙がでそうで、言わなかったけれど…
あとは、紙パックのお酒を買いました。
亡くなる2か月前の正月に実家に行った時に、父が自分で日本酒の瓶を持ってきて
「飲もう」と言った時はびっくりしました。
まさか、お酒を飲むほど元気だとは思わなかったのです。
これが、一緒に飲んだのは最後になりました。
最後まで止められず 隠れてずっと吸っていたたばこも買いました。
1月17日に入院してから、亡くなるまで、痰がひどく、管をつかって痰をとってもらうのはとても辛そうで、見ていても辛かったです。
タバコを吸う人が見たら、タバコをやめるのではないかと思うのですが、
弟や主人はこの辛さを見てもタバコをやめていません。
父親が亡くなっても、この辛さから逃れられて楽になったんだと思いました。
私が用意したのはこれだけですが、他に棺桶に入れたものは、弟の嫁さんが煮てきたさといも、ひ孫たちが葬儀場の控室に置いてあった折り紙で折ったもの、好きだった牛乳の紙パックなどを入れました。