最後のお別れ


最後のお別れ 父親の顔は冷たかったけれどたくさんの供花で覆われました

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最後のお別れ

いよいよ最後のお別れの時になりました。

花祭壇の花を全部入れたら、棺桶の中がたくさんになってしまうと思いましたが、茎や葉は入れず、花だけが摘み取られました。

用意してあった父親の好きだったもの、和菓子、たばこ、牛乳、日本酒、煮たおいも、ひ孫達の折った折り紙などを棺桶の中の父親の顔の周りに置いてあげました。
葬儀屋さんが供えてあったごはんを丸めて、長旅の途中のお弁当ですと言って棺桶の中へ入れました。

みんなでたくさんのお花で父親を覆いました。ひ孫達も入れています。彼らはおじいちゃんのこと覚えていられるのかしら。 花祭壇のおかげで、お花の量も多いです。

「この世の最後のお別れですから、さわったり話しかけたり、別れを惜しんでください」と葬儀屋さんが言いました。

触る勇気がありませんでしたが、弟に促されて、父親の顔を触ると、化粧でツルツルしているのとすごく冷たく感じました。

こんなに冷たくなっちゃって…
入院しているときも、手は冷たかったけれど。

母親は右腕を骨折していて何も持てる状態ではなかったので、私が遺影の写真を持ち、弟が位牌を持つことになっていました。

他の人たちは、1階の入り口へと先に降りて行きました。

葬儀屋さんが私達3人に言いました。
「もう少しお時間がありますから、別れを惜しんでください」

母親が言いました。
「いい人生だったよね」
3人で父親の顔を見ながらうなづきあいました。

私は、涙が止まりませんでした。ハンカチしかもっていなかったので、鼻水をハンカチでふくと、見慣れた花粉症の鼻水だったので、思わず「これは花粉症の鼻水」と言ってしまいました。 いいえ、父親への涙の鼻水です。

ふっとふりかえると、お坊さんが、穏やかな顔をして立っていました。
私たちの様子を立って見ていたようです。

ホッと安心するような顔をしていてくださったので、このお坊さんなら心を許せると思ってしまいました。 初めてお願いしてこんな安心感を与えてくれるなんて、いいお坊さんにあたったものです。 父親のおかげだと思いました。



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